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拡張ブレーキ指令
デフォルトでは、TASC/ATO プラグインは手動の常用ブレーキで使用されるブレーキ指令を使用します。しかし実際の鉄道の TASC/ATO では、手動の常用ブレーキよりも細かくブレーキの強さを制御できるようになっていることがあります。車両性能とプラグインの設定を調節することで、そのような動作を再現することができます。
この機能はプラグイン v0.8 以降で使用できます。
まず、プラグインの設定ファイルに TASC/ATO が使用するブレーキ指令の段数 (ノッチ数) を記載します。拡張ノッチの数の設定 ([braking]
セクションの extendednotches
) に記載してください。
続いて、各ブレーキ指令の強さを記載します。車両パラメーターファイルの PressureRates
の項目を見てください。通常の車両には、ここには次のような数字が並んでいます。
- 緩めノッチ (ブレーキをかけていない状態) を表す 0 が一つ
- 常用ブレーキの各ノッチの強さを表す値の列 (車両パラメーターファイルに記載された
BrakeNotchCount
と同じ個数) - 非常ブレーキの強さを表す値が一つ
既存の PressureRates
に書かれている値の後に追加する形で、TASC/ATO が使用するブレーキ指令の強さを記載してください。extendednotches
と同じ個数の値を追加する必要があります。
- 追加する値は単調増加になっている (昇順に並べられている) 必要があります。ただし追加する最初の値が元からある他の値より小さいのは構いません。
- 緩めノッチ (ブレーキをかけていない状態) を表す 0 は追加する値に含まれていなくて構いません。
- 既存の
PressureRates
に書かれている値の個数がもともとBrakeNotchCount + 2
に満たない場合あるいはそもそもPressureRates
が書かれていない場合は、先にPressureRates
としてBrakeNotchCount + 2
個の値を記載してから TASC/ATO 用のブレーキ指令の値を追加してください。
設定ファイル内の指令の強さ ([braking]
セクションの pressurerates
) にも全く同じ数列を記載してください。車両パラメーターファイルの PressureRates
とプラグイン設定ファイルの pressurerates
は完全に一致していなければなりません。
車両パラメーターファイルに PressureRates
がもともと書かれていない場合は、 [Ecb]
セクションまたは [Smee]
セクションのどちらか存在する方に PressureRates
の項目を追加する必要があります。デフォルトでは常用ブレーキ指令の強さは等分され非常ブレーキは最大常用ブレーキに一致するので、例えば BrakeNotchCount
が 8 の場合は
PressureRates = 0, 0.125, 0.25, 0.375, 0.5, 0.625, 0.75, 0.875, 1, 1
となります。ここで TASC/ATO 用に 16 段のブレーキ指令を定義する場合 (つまり extendednotches = 16
とした場合)
PressureRates = 0, 0.125, 0.25, 0.375, 0.5, 0.625, 0.75, 0.875, 1, 1, 0.0625, 0.125, 0.1875, 0.25, 0.3125, 0.375, 0.4375, 0.5, 0.5625, 0.625, 0.6875, 0.75, 0.8125, 0.875, 0.9375, 1
となります。(この例では 0 から 1 までを 16 等分しましたが、等分以外の値も一応設定できます。)
extendednotches
が 1 以上に設定され、対応する指令が pressurerates
に設定されていれば、TASC/ATO は通常のブレーキ指令ではなく pressurerates
に追加されたブレーキ指令を使用します。ただし緩めノッチは常に通常の指令を使用します。
手動でブレーキをかけたときは引き続き通常の指令が使用されます。(手動ブレーキと TASC/ATO によるブレーキのうちより強い方の指令を出力します。)